不器用オオカミとひみつの同居生活。
私の願いが通じたのか花平くんは水と冷却シート、そして氷枕を持ってきてくれた。
べりっと容赦なくおでこのシートをはがされて、びたんと替えのものを貼られる。
「ちょ、もうちょ……てい、ねいに…」
「は?盲腸?」
丁寧にお願いします……
さすがに頭を持ち上げるときは優しかった。
替えの氷枕を頭とベッドの間に差し込んで、ゆっくり降ろしてくれる。
その際に花平くんの身体が密着して、澄んだ甘い香りが私の鼻孔をくすぐった。
香水、とは違うような。
となれば純粋な花平くんの匂い?
……いやいや変態か。
私は変態だ、大変態だ。
おまわりさんここに変態がいます。
人の匂いをかいで、さらにそれを分析してしまいました。
熱のせいで頭がおかしくなってる。
一人芝居を無理矢理終わらせ、はあっと熱い息をもらす。
控えめに言って吐きそう。