不器用オオカミとひみつの同居生活。
一体どれくらいの間、眠っていたのだろうか。
見慣れた天井はもうぼやけることもなく、喉の調子も戻りつつあった。
「……花平くんは?」
目だけを動かして探すけど、部屋の中にその姿は見当たらない。
窓の外はもう薄暗くなりかけていたから。
もしかしたら夜ご飯を食べに行ったのかもしれない。
鍵、ちゃんとかけてくれたかな。
いま変な人が入ってきても私に勝ち目はない。
花平くんが戸締まりしてくれたことを祈りつつ、もう一度寝直そうとしたときだった。
「ひゃっ」
布団のなかで何かが動いた。
胸に何かが触れた!
そういえばベッドがちょっと狭いし、何やら寝息のような音が聞こえる。
布団の中からだった。
……まさか。