不器用オオカミとひみつの同居生活。


花平くんの長い指が絡まってきて、しばらく弄ぶようにしていたかと思えば、ふいに乾いた笑いをもらした。


「指ほっそ。折れそうなんだけど」

「折らないでくださいね」


花平くんならポキッとやりかねない。


身を起こそうとしたらすぐに引き戻されて、
また胸の中に逆戻り。



「なにがしたいんですか?」

「もしかして食費足りてねぇの」

「はい?」


唐突な質問に眉を寄せる。


食費が足りてない?

いつからそんな話に?



「……いや、私が満足に食べてないとでも思ってます?」


花平くんはうんともすんとも言わない。



じつはこの一週間で、花平くんは一回家に帰っていたみたいで。


帰ってきたとき、すこしの着替えを持っていた。

大人しく着てたけど、やっぱりスノーマン嫌だったんだ。


それと手渡されたものがあった。



札束だ。


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