不器用オオカミとひみつの同居生活。
私はあきらめて、ぽてんと花平くんの胸の上に顔を落とす。
近くにあった毛布を引き寄せた。
窓の外では雪がちらついている。
「どうりで寒いわけだ」
暖房の温度をもうすこし上げたかったけど、この状況では無理だった。
おとなしく目を閉じると花平くんの心音がとくん、とくんって聞こえてくる。
速くもなければ、遅くもない。
そのビートに同調するように私の心臓も動いていた。
もう少しで春休み。
進級したら一緒のクラスになる、ってこともあるかもしれないんだよね。
まず進級できたらだけど。花平くんが。
「……同じクラスだったらいいな」
こうして長いようであっという間だった一年生が終わり、まもなくして春休みに入った。