不器用オオカミとひみつの同居生活。
上辺と深層
「花平くん、暇ですよね」
ある日の昼下がり。
春休みの課題をやっていた私は凝り固まっていた肩をほぐした。
気分転換も兼ねて、今日の買い出しに行こう。
「暇じゃねぇ」
ソファの上から返ってくる。
目は閉じたままだったけど、起きていることは確実だった。
よし。
「どう見ても暇そうなので、よかったら買い物一緒に行きましょう」
今日は買い込むつもりだった。
花平くんには荷物持ちをしてもらおう。
面倒くさそうにする花平くんを引きずるようにしながら、私たちは街に繰り出した。