不器用オオカミとひみつの同居生活。
のろのろと服を脱ぎ、お風呂場の扉を開ける。
もわっと湯気が立ちこめていたから視界は悪かったけど、浴室内はそれなりに暖かかった。
「やったーなんかお湯が溜まってる」
でも先に汗を流したくて、髪を結っていたゴムを外した。
肩にかかるくらいの髪がぱさりと落ちた。
シャンプーを2回プッシュして、髪を洗う。
「あー……春休みもあと一週間とちょっとかぁ」
休みってなんでこんなに過ぎるのが早いんだろう。
ずっとバイトか、家でごろごろしてるかだったな。
たまにすうちゃんと買い物に行ったり、映画を観に行ったりはしたけど。
というかまだ宿題が終わってないから、それもやらなくちゃいけない。
そんなことをぼんやり考えながら、無心で頭をわしゃわしゃする。
そろそろ流そうとしたとき、垂れてきた泡が目に入ってしまった。