不器用オオカミとひみつの同居生活。



私のあとにお風呂に入った花平くんが、
がしがしと雑に頭を拭きながら出てくる。


その金色にも目が慣れてきた頃だった。


最初はまぶしかったけど、慣れてしまえば案外いいかもしれない。


ハチミツ色。

ハイトーンなのにくどくなくて、彼によく似合っていた。


花平くんの顔は濃いか薄いかだったら、薄いほう。


だけど目鼻立ちははっきりしてる。だから髪色も似合ってるし……

あれ、違和感仕事してる?


きっと顔の系統なんて関係ないんだな。


塩とかソースとかケチャップとかバルサミコ酢とか、どの調味料でも合うんだ。


ほんとうに非の打ち所がなくて、

あら探しをしようと顔を近づけようものなら、こちらのあらを先に見つけられてしまう。



私はベッドに寝転がって、自分の分の布団を広げる花平くんを観察する。


ちなみにこの布団、近くの大型家具店で買ったのだ。

クマさんにしようかと思ったけど一緒に来ていた花平くんが文句を言ってきたので、無難に紺色の布団セット。


< 92 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop