不器用オオカミとひみつの同居生活。
抱き枕みたいにされて、頭のうしろに手が置かれている。
すっぽりと花平くんの身体のなかに収まっちゃうんだから、身長差をあらためて感じてしまう。
今日のお昼は何するつもりだったんだっけ。
そうだ鶏肉があったから、
「寝起きで照り焼きチキン食べれます?」
「素うどんじゃねーんだ」
「なんでそれ知ってるんですか」
「お前、けっこう声に出てる」
「嘘だ」
「ホントだよバーカ」
ぴんと指でおでこをはじかれる。
その際に花平くんの顔が見えた。
……わらってる。
今度は、ちゃんと。
窓から差し込むゆるやかな朝の日差し。
きらきらとゆれる蜂蜜色の髪のしたで……
結ばれたままの口元は、やさしく形をつくられていた。