前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
そうして去ろうとする私たちに、由紀さんが「お見送りするわ」と声をかけて席を立った。
三人で玄関ポーチまでやってくると、由紀さんが晴れやかな笑顔で言う。
「伊吹さん、今日は本当にありがとう。明神先生もやっぱり来てくれたわね。グッドタイミングだったわよ!」
「ええ。お言葉に甘えて勝手にお邪魔してしまい、すみません」
親指を立てる彼女に、久夜さんはそんなふうに謝っている。ふたりの間でなにかやり取りがあったみたいだが、どういうことだろう。
頭にハテナマークを浮かべる私に、由紀さんが説明する。
「先生が『妻はこういう場に慣れていないから心配だ』って言うから、講演会が終わったらあなたもいらっしゃいと伝えてあったのよ。勝手に上がってくれていいからって」
「そうだったんですか……!」
「そんなに心配しなくてもと思ったけど、先生の勘は当たってしまったわね。彼女たちがあのままだったら、私が論破してやろうかと思っていたわ」
いたずらっぽく口角を上げる彼女に、感謝の気持ちが込み上げる。私を放っておけなかったらしく、助けてくれた久夜さんにも。
三人で玄関ポーチまでやってくると、由紀さんが晴れやかな笑顔で言う。
「伊吹さん、今日は本当にありがとう。明神先生もやっぱり来てくれたわね。グッドタイミングだったわよ!」
「ええ。お言葉に甘えて勝手にお邪魔してしまい、すみません」
親指を立てる彼女に、久夜さんはそんなふうに謝っている。ふたりの間でなにかやり取りがあったみたいだが、どういうことだろう。
頭にハテナマークを浮かべる私に、由紀さんが説明する。
「先生が『妻はこういう場に慣れていないから心配だ』って言うから、講演会が終わったらあなたもいらっしゃいと伝えてあったのよ。勝手に上がってくれていいからって」
「そうだったんですか……!」
「そんなに心配しなくてもと思ったけど、先生の勘は当たってしまったわね。彼女たちがあのままだったら、私が論破してやろうかと思っていたわ」
いたずらっぽく口角を上げる彼女に、感謝の気持ちが込み上げる。私を放っておけなかったらしく、助けてくれた久夜さんにも。