前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
ダメージを受けた心が修復されていくのを感じていると、廊下の奥から「明神さん!」と声をかけられた。小走りでやってきたのは園田さんだ。
「さっきは主人の仕事を肯定してくださって、ありがとうございました。すごく救われました。それなのに、私はなにもできなくて……」
「いえ! とんでもないです」
頭を下げて申し訳なさそうにする彼女に、私は手と首をぶんぶんと振った。そんな様子を見ていた由紀さんが、私たちの肩にぽんと手を置く。
「おふたりとも、またいらっしゃい。大丈夫よ、あの教授夫人たちがここに来ることはもうないから」
「えっ?」
意外なひとことに私たちは声を揃えた。
「私がいろいろな人を招待するのは、その人となりを見極めるためなの。人間性に好感が持てる人とだけ、今後もお付き合いさせてもらいたいから。彼女たちも今日初めてお誘いしたんだけど、残念ながらご縁がなかったみたい」
小悪魔のように微笑んで語られる彼女の真の狙いを聞き、園田さんと共に目をぱちくりさせる。そして顔を見合わせ、声を出して笑ってしまった。
「さっきは主人の仕事を肯定してくださって、ありがとうございました。すごく救われました。それなのに、私はなにもできなくて……」
「いえ! とんでもないです」
頭を下げて申し訳なさそうにする彼女に、私は手と首をぶんぶんと振った。そんな様子を見ていた由紀さんが、私たちの肩にぽんと手を置く。
「おふたりとも、またいらっしゃい。大丈夫よ、あの教授夫人たちがここに来ることはもうないから」
「えっ?」
意外なひとことに私たちは声を揃えた。
「私がいろいろな人を招待するのは、その人となりを見極めるためなの。人間性に好感が持てる人とだけ、今後もお付き合いさせてもらいたいから。彼女たちも今日初めてお誘いしたんだけど、残念ながらご縁がなかったみたい」
小悪魔のように微笑んで語られる彼女の真の狙いを聞き、園田さんと共に目をぱちくりさせる。そして顔を見合わせ、声を出して笑ってしまった。