前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
〝まだまだ間に合うよ。お互いに仲直りしたい気持ちがあれば〟


 美來ちゃんに向けて書いたものは、自分自身へのメッセージでもある。私も今度こそ恐れずに向き合って、しこりを取り除きたい。


 そのあと、美來ちゃんは勇気を出して梨乃ちゃんに話しかけていた。

 そしてお互いに謝ったのだろう。ふたりして泣き、また笑い合っている姿を見て、私もほろりとしつつ胸を撫で下ろした。

 私もやっぱり先輩と和解したい。美來ちゃんたちを見て大きくなった気持ちを、その日の晩に久夜さんに伝えた。

 彼は私の心情もしっかり理解して、『櫂もだいぶ反省しているみたいだから大丈夫だろう』と、会うことを認めてくれた。

 ただ、まったく不安がないわけではないので、ふたりきりにならないことを条件に。

 久夜さんについていてもらうのが一番安心ではあるものの、先輩が素直になれないかもしれない。いろいろと考慮して、彼が次回検査を受ける日に図書室に寄ってほしいと久夜さんを通して頼んでもらうことにした。
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