前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
「おばあちゃんはもうお昼食べた?」
「ああ。今日はさばの味噌煮だったよ。味が物足りなくて、あんまり食べられんかったわ」
若干不満げにしているが、祖母の食事が塩分控えめにされているのは毎食同じ。眉を下げて微笑み、「減塩食だから仕方ないね」と優しく言った。
昨日のエンディングノートの件を思い出して複雑な気分になりつつ、本棚に貼った掲示物が落ちていることに気づき、カウンターを出る。
歩きながらメモ帳をエプロンのポケットに入れようとしたとき、祖母がひとりごとのように呟く。
「家に帰って、伊吹や大地たちと一緒に美味しいご飯が食べたいねぇ……」
切なげな声に、しくしくと胸が痛む。その気持ちは十分にわかるから。今日はやっぱりいつもの元気がない気がするし、ナーバスになっているのだろうか。
動きを止め、なんと声をかけたらいいかと迷っていたときだった。
「ッ、うう……痛っ……!」
突然、祖母が苦しげな声を出して背中を丸める。どうしたのかと困惑したのは一瞬で、すぐに「おばあちゃん!?」と呼んで駆け寄った。
「ああ。今日はさばの味噌煮だったよ。味が物足りなくて、あんまり食べられんかったわ」
若干不満げにしているが、祖母の食事が塩分控えめにされているのは毎食同じ。眉を下げて微笑み、「減塩食だから仕方ないね」と優しく言った。
昨日のエンディングノートの件を思い出して複雑な気分になりつつ、本棚に貼った掲示物が落ちていることに気づき、カウンターを出る。
歩きながらメモ帳をエプロンのポケットに入れようとしたとき、祖母がひとりごとのように呟く。
「家に帰って、伊吹や大地たちと一緒に美味しいご飯が食べたいねぇ……」
切なげな声に、しくしくと胸が痛む。その気持ちは十分にわかるから。今日はやっぱりいつもの元気がない気がするし、ナーバスになっているのだろうか。
動きを止め、なんと声をかけたらいいかと迷っていたときだった。
「ッ、うう……痛っ……!」
突然、祖母が苦しげな声を出して背中を丸める。どうしたのかと困惑したのは一瞬で、すぐに「おばあちゃん!?」と呼んで駆け寄った。