前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~

 ──挙式と披露宴を無事終えて、約一ヵ月後。式場から写真のデータが届き、夕飯を食べたあと伊吹とまったり過ごしながらそれを眺めていた。

 ソファに寄り添って座りふたりであれこれ言いながら、人生で一度きりの大事な日を思い返す。


「あ、大地と櫂くんのツーショットだ」
「雑誌みたいだな。メンズなんとか、みたいな」
「あはは。末永さんもモデルさんみたい。どれ見ても綺麗」
「栄と映ってるやつはあるのか?」


 末永さんと栄は、すったもんだありつつも数カ月前に恋人同士になっていた。

 式当日はブーケプルズで見事ブーケを獲得し、『私もやっと幸せになれそうな気がしてきた!』と歓喜していたのだが、式のあとに栄がプロポーズしたらしい。

 それがまた胸キュンものだったと、伊吹が興奮気味に語っていた。さすがは栄だ。

 ふたりとも素直じゃない部分があるが、お似合いだと思うし幸せになってほしい。仲のいいふたりが結ばれて俺たちも喜んでいるのだ。
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