前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
パソコンの画面を次々と進めていくと、御船院長が座っていたテーブル席の写真が映し出された。伊吹は微笑ましそうに眺めて言う。
「由紀さんは着物姿が素敵でしたね。園田さんも来てくれて嬉しかったし。……あ、そういえばこの間北澤さんに会ったんですよ」
久しぶりに登場した名前に、俺の表情がやや強張る。またなにか気に障る言動をされていないだろうか。
「大丈夫だったか?」
「はい。『北澤さんのおかげでますます主人との仲が深まりました』って感謝したら、悔しそうな顔をして去っていきました」
明るく語られ、思わず吹き出してしまった。あの北澤さんより一枚上手に出るとは、どうやら伊吹は本当に強くなったらしい。
俺が感心している間にも、彼女はあっさりと思考を結婚式に戻している。
「医療関係者の皆さんに粗相がなくてホッとしました。家族も楽しんでたし」
「伊吹の手紙、すごくよかったよ」
彼女は文章力にも長けているので、家族全員に宛てたそれは俺まで感極まったくらいだ。
「由紀さんは着物姿が素敵でしたね。園田さんも来てくれて嬉しかったし。……あ、そういえばこの間北澤さんに会ったんですよ」
久しぶりに登場した名前に、俺の表情がやや強張る。またなにか気に障る言動をされていないだろうか。
「大丈夫だったか?」
「はい。『北澤さんのおかげでますます主人との仲が深まりました』って感謝したら、悔しそうな顔をして去っていきました」
明るく語られ、思わず吹き出してしまった。あの北澤さんより一枚上手に出るとは、どうやら伊吹は本当に強くなったらしい。
俺が感心している間にも、彼女はあっさりと思考を結婚式に戻している。
「医療関係者の皆さんに粗相がなくてホッとしました。家族も楽しんでたし」
「伊吹の手紙、すごくよかったよ」
彼女は文章力にも長けているので、家族全員に宛てたそれは俺まで感極まったくらいだ。