前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
美來ちゃんも「トキばーちゃん!」と声を上げてこちらに来るが、彼女はお腹を押さえて床にうずくまってしまう。
「おばあちゃん! お腹痛いの!? 大丈夫!?」
パニックになりつつ必死に呼びかけるも、祖母は「うううっ」と唸るだけ。顔色も悪く冷や汗を掻き、苦痛の表情を露わにしている。最悪の事態が脳裏を過ぎり、大きな恐怖に襲われる。
どうしよう、怖い。誰か、助けて──!
私の叫び声を聞いた末永さんが、慌てて駆け寄ってきた。
「伊吹ちゃん、どうしたの!?」
「祖母が、急に苦しみだして……すごく痛がってるんです!」
背中をさすりながら、悲鳴にも近い声で訴えれば、末永さんは焦った表情で頷く。
「わかった。今、先生を──」
「どうした?」
そのとき、出入り口のほうから馴染みのある男性の声が聞こえ、私はパッと顔を上げた。
「明神先生……!」
白衣の裾をなびかせて颯爽と近づいてくる彼を捉えた瞬間、ひと筋の光が差し込んだ気がして、わずかに肩の力が抜けた。
こちらに駆け寄った彼はすぐさま片膝を床につき、祖母の状態を確認する。
「おばあちゃん! お腹痛いの!? 大丈夫!?」
パニックになりつつ必死に呼びかけるも、祖母は「うううっ」と唸るだけ。顔色も悪く冷や汗を掻き、苦痛の表情を露わにしている。最悪の事態が脳裏を過ぎり、大きな恐怖に襲われる。
どうしよう、怖い。誰か、助けて──!
私の叫び声を聞いた末永さんが、慌てて駆け寄ってきた。
「伊吹ちゃん、どうしたの!?」
「祖母が、急に苦しみだして……すごく痛がってるんです!」
背中をさすりながら、悲鳴にも近い声で訴えれば、末永さんは焦った表情で頷く。
「わかった。今、先生を──」
「どうした?」
そのとき、出入り口のほうから馴染みのある男性の声が聞こえ、私はパッと顔を上げた。
「明神先生……!」
白衣の裾をなびかせて颯爽と近づいてくる彼を捉えた瞬間、ひと筋の光が差し込んだ気がして、わずかに肩の力が抜けた。
こちらに駆け寄った彼はすぐさま片膝を床につき、祖母の状態を確認する。