前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
ぺりっと剥がし、初めて彼からもらった短いメッセージをじっと見つめる。
電話、したい……けどめちゃくちゃハードル高いし、ただの社交辞令かもしれないのに鵜呑みにしたら迷惑がられるだろうか。いやでも、中身を見た報告はしておいたほうがいい気もするし……。
ぐるぐると思案して、とりあえずスマホに先生の番号を登録する。そこまでで、通話をタップできずに悶々と悩んでいたとき、一段と風が強く吹いて窓がガタッ!と鳴った。
その音に驚いてビクッと肩をすくめた瞬間、指先が通話ボタンに触れてしまった。「あっ!?」と叫ぶもときすでに遅く、〝呼出中〟の文字が表示される。
どうしようどうしよう、とあたふたしても仕方ない。腹を括ってスマホを耳に当て、心臓がドクドクと鳴るのを感じながら応答を待つ。
何回かコール音がしたあと、それが止んで緊張がぐっと高まった。
『はい』
「こっ、こんばんは……! 浜菜です」
明神先生だ!と当たり前のことを思い、案の定つっかえてみっともない挨拶をした。
柔らかな口調で『ああ、こんばんは』と返される。普段の声とは少し違って聞こえるものの、耳元で響くのがくすぐったく、嬉しい。
しかし、なにから話せばいいものか。
電話、したい……けどめちゃくちゃハードル高いし、ただの社交辞令かもしれないのに鵜呑みにしたら迷惑がられるだろうか。いやでも、中身を見た報告はしておいたほうがいい気もするし……。
ぐるぐると思案して、とりあえずスマホに先生の番号を登録する。そこまでで、通話をタップできずに悶々と悩んでいたとき、一段と風が強く吹いて窓がガタッ!と鳴った。
その音に驚いてビクッと肩をすくめた瞬間、指先が通話ボタンに触れてしまった。「あっ!?」と叫ぶもときすでに遅く、〝呼出中〟の文字が表示される。
どうしようどうしよう、とあたふたしても仕方ない。腹を括ってスマホを耳に当て、心臓がドクドクと鳴るのを感じながら応答を待つ。
何回かコール音がしたあと、それが止んで緊張がぐっと高まった。
『はい』
「こっ、こんばんは……! 浜菜です」
明神先生だ!と当たり前のことを思い、案の定つっかえてみっともない挨拶をした。
柔らかな口調で『ああ、こんばんは』と返される。普段の声とは少し違って聞こえるものの、耳元で響くのがくすぐったく、嬉しい。
しかし、なにから話せばいいものか。