私、悪い子じゃないよ、いい子ダヨ
小学校の頃からの付き合いで何かと面倒見がいいと評判の娘さんだ!長く艷やかな黒髪は肩の上で一つに結われており、中学生にしては発育の良い胸が圧倒的存在感を放っている。思わず、姉御ォー、と呼びたくなってしまう…。
水筒の水がなくなったと言う衝撃な事実に対し私ができるのは親友に縋るのみだった。
「どうしよう香織…、水筒が、のみ、もの、が、のみものがーーー!」
私は周りの目も気にせず、ずっと叫ぶ、香織の服を握り、目を見つめる。きっと今の私は捨てられた子犬のような目をしているのだろう。
「ちょっと落ち着きなさいよ、周りを見て、!」
香織は周りの目が恥ずかしいのか私をなだめようとする。しかし絶対に私の手を話そうとしないのだ。
「だって、香織、私の水筒の中身が全部こぼれたんだぞ!?!?…しかも、この水筒の中身はブドウジュースなんだぞ!!」
「そういえばあんたの家、果物農家だったわね」
香織の言葉通り、私の家は果物を育てている。オレンジ、リンゴ、サクランボ…といろんな種類の果物を育てており、旬の時期にその果物でジュースを飲むと言うのが今の私の趣味だ!
「そうだが、私が言いたいのは…、中身が溢れてしまったということだ…」
手に持っていた水筒を悲しい目で見つめ、香織に助けを求める。しかし、香織は私に冷たい目を向ける。