私、悪い子じゃないよ、いい子ダヨ


 「帰りにコンビニでジュースでも買って帰るか…」



 私の独り言は香織の耳に届いたのか、



 「あれ、あんたいま金欠じゃなかったっけ?」

 「………」



 香織の口から目をそらしていた現実を言われる。



 「金欠、だよね。中学生になって増えたお年玉に調子乗って使いまくったって、この前話してたじゃない」

 「財布にお金がなくたって、定期に…、はいって…、ないや…」



 あっーなんて日だ、なんで定期に16円しか入っていないのだ、、、 そういえば自動販売機みたいなやつのアイス食べまくってたっけ、、、どうしよう。



 「もう家に帰って飲んだら?」

 「確かに、確かにそうだょ、けど考えても見てよ、家につくまでに一時間、我慢できると思う…?」

 「根性で、頑張れば…。まぁ、ドンマイ」



 もう帰るしかないのか方法は無いのか…、人生に絶望しトボトボと、校門に向かい歩く。



 「はぁー、朝日がしみるぜ!」

 「もう、昼過ぎだけどね」



 香織の冷静なツッコミをスルーしつつ、家へと急ぐ。



 「私、図書館に本、返してくるから先に行ってて」

 「…りょーかい」

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