猟師少女グレーテル
「あの、大丈夫ですか?」

私が問いかけると、女性は「あなたは……?」と私を見つめた。

「私は、グレーテル。この近くに住んでいるものです」

「グレーテルちゃんか……私は、カミーユ。グレーテルちゃんは、いくつ?」

「12歳です」

私の答えに、カミーユさんは驚いた顔を見せる。

「それにしては、大人っぽいね。18歳くらいって感じがする」

そう言われ、私は微笑むことしか出来なかった。

確かに、そうかもしれないね~……高校生がするような問題だって、普通に解けるし。

「……グレーテル。そいつを家まで連れていった方が良い。危険だ」

人間の姿になったラルフが、私に近づく。

「え!?」

「話は、あと。とりあえず、行くよ……」

そう言って、ラルフは黒いローブを揺らしながら歩き始めた。

「……ラルフ!?あ、カミーユさん。こっち!」

私は、カミーユさんの腕を引いてラルフの後を追いかけた。



「俺は、ラルフ。人狼なんだ……あと、敬語はいらないよ」

家に入り、あぐらをかいて床に座ったラルフが、カミーユさんに自己紹介をする。

「へぇ……人狼って、本当にいるんだ」

「いるよ。俺、町に出るときは基本狼の姿でいる。というか、余り驚かないんだね」

「うん。ずっと人以外の種族がいるって信じてたから」

カミーユさんは、そう答えた。
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