恋人のフリはもう嫌です
内臓を売られても
内臓を売られても
今日の会社は松本機器。
機械自体を作っているのは中国で、日本に卸している商社の位置付けだ。
キタガワと同じように昔は製品も作っていたようだが、価格面で敵わなかった口だろう。
「最初に見せてもらった戸田設備は、ここの機器を使っているんだよ」
「え、そうなんですか?」
「松本機器が中国の中でも、性能が安定している機器の供給先との繋がりが強くてね。他はどこも松本機器に勝てない」
「でも戸田設備は、堂々と自社製品として売っていたような」
記憶を辿っても、別の会社から買っていますとは言っていなかった。
「だから戸田設備は買った機器に、システムプログラムの付加価値をつけて売り付けたいのさ」
「なるほど」
ゴリ押しとも言えるような営業を思い出して、改めて納得する。