恋人のフリはもう嫌です
「勤怠のシステム化をお考えでしたら、我が社の設備は業界の中でも群を抜いております」
大規模なものから、小さな機器まで。
様々な商品を一通り紹介していただいてから、健太郎さんがすでに出しているキタガワの希望に近い設備を実際に見せてもらう。
レジ横に置いてありそうな、クレジットカードをかざす機器によく似ている。
小型で、場所を取らなさそうだ。
きっと高価だろうなと慄くような設備ばかり見てきて、なんだかホッと安心するような機械だ。
詳しい説明を聞き、見積書を受け取る。
「御社は近年、すさまじい成長をされておりますね」
こういう雑談も仕事のうちなのだろうな、と思うけれど、ゴマすり感がすごくて笑顔が引きつりそうになる。