エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「お待たせ……それにしてもなんて顔してるの?」

こずえの顔を見たら我慢していた思いが込み上げてきた。

そんな私を見てこずえは「もう少しだけ我慢して。ちゃんと話を聞くから」そう言ってデパートから少し離れた1件のお店のドアを開けた。

通路はうず暗く、照らしているのは間接照明だけ。

こずえに連れられ進んでいくともう一つ扉にぶつかる。

アンティーク調の大きなドアを開け中に入ると奥行きのある店内が広がる。

バーカウンターは古い外国のバーを連想させるような雰囲気だ。

アンティーク調の二人掛けソファのテーブル席はどれとして同じソファではないのがお洒落で、青く光るワインセラーも照明の一つになっているようだった。

「素敵でしょ?」

「う、うん。よく来るの?」

「……うん」

そう言ってこずえはカウンター席の一番端に座った。


すると細身で緩やかなパーマヘアの似合うイケメンバーテンダーが私たちにおしぼりを差し出した。

「いらっしゃい。こずえが友達連れてくるなんて……初めてなんじゃない?」

バーテンダーはこずえに微笑むと私に軽く会釈をした。

きっとこずえは常連なんだ。そう思ったのだが……。

「私の彼氏なんだ」
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