エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
八章
運がいいのか翌週の金曜日は私の誕生日。28歳になる。

彼との最後の日は一生の思い出になる日がよかった。

だから絶好のタイミングというのだろうか。


「今度の金曜日は私の誕生日なの。祝って」

私の申し出に洋介さんは2つ返事でO Kしてくれた。

ゆっくりしたいから私のマンションにこない?というと洋介さんは一瞬戸惑ったが「わかった」と言ってくれた。

男の人を家に入れるのは彼が最初で最後だろう。

彼との関係を終わらせたら本腰入れて結婚の準備をするつもり。

いつまでも引きずってるわけにもいかないしね。

だけど最後ぐらい、言葉に出さなくても自分の気持ちに正直になりたい。


仕事を終えた私は一足先に帰り、近くのスーパーで食材を買い込んだ。

せっかくだからと高めのスパークリングワインを購入。

そしてマンションに着くと急いでシャワーを浴びた。

理由は3日前に届いた「ラグーン」のランジェリーを身に着けるため。

洋介さんが買ってくれた私の宝物。

私の体にフィットした下着は体に馴染んでおりつけている感覚がないほど自然だった。

だが一つ驚いたことがある。

注文したはずのないガーターベルトが入っていたのだ。

同じ素材でウエスト部分は花をモチーフにしたレースが連なっていて、すごく可愛かった。

もしかして洋介さんがオーダーしてくれたのかもしれない。

だからこの姿は洋介さんにだけ見せたいと思っていた。

でもそれが洋介さんとのサヨナラを意味するなんて皮肉なものだ。
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