エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
どうしよう、絶対に泣かないって決めたのに目頭が熱くなって涙が今にも溢れてきそうだ。

私は唇を噛んでぐっと堪えた。

「だったら俺だって言わせてもらう。俺が単なる契約だけでここまでしたと思うか?俺はお前のことが——」

「言わないで!」

私は洋介さんから離れた。

「泉?」

「私は明久さんと結婚するの。それは覆されない」

なんでこんな契約しちゃったんだろう。

なんでこんなに好きになっちゃいけない人を好きになってしまったんだろう。

「お前はそれでもいいんだな。俺との関係を終わらせてあいつと結婚するっているんだな」

「……はい。だから……心から愛する人に私の初めてをあげたいの」

堪えていた涙がとめどもなく溢れ出した。

こんなに誰かを好きになることが幸せで苦しいなんて思いもしなかった。

恋をするとこんなにも胸が締め付けられるなんて知らなかった。

洋介さんの手が延びて私の涙を優しく拭った。

「不思議だな。最初は冗談のつもりで言ったのに……まさか本当に俺の誘いに乗るとは思わなかった。だけど……一緒にいることがこんなに楽しくてどんどんきれいになる君をずっと見ていたいと思った。いつの間にか俺は——」

それ以上言われたら私の決意が揺らいでしまう。

私は彼の口をキスで塞いだ。

そして私の覚悟を知って欲しくて自らワンピースを脱いだ。
< 109 / 175 >

この作品をシェア

pagetop