エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「やっぱり泉ちゃんは洋介さんって人のことが好きだったんだね」

律ちゃんの優しい声に泣きそうになり私は唇を強く噛みしめた。

すると律ちゃんが頭を優しく撫でた。

「苦しかったね。がんばったよ泉ちゃん。私なら周りが見えなくなっていたと思う。でも本当にこれでいいの?泉ちゃんはそれで幸せになれるの?」

律ちゃんの言葉が胸に刺さりブワッと一気に涙が溢れ出す。

「だって……私が彼を守れるといったらこんなことしかできないんだもん」

「そっか……そっか」

律ちゃんは決して否定的なことは言わないでくれた。

「それで洋介さんに気持ちは伝えられた?」

「うん。だから私は彼との思い出だけを持って結婚する」

「そんな切ないことを……」

今度は律ちゃんが泣き出した。

「ごめん律ちゃん。でもね私明日からはちゃんと前向いて歩くよ。だって私は彼に一生分の愛をくれたのだもん。それだけで充分幸せよ」

律ちゃんは私が落ち着くまで一緒にいてくれた。

久しぶりに一緒にご飯も食べて帰りはお兄が迎えに来た。

二人の幸せそうな姿が羨ましかった。

だけど私が自分の望んだこと。悔いはない。
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