エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
そこには洋介さんからのメーセージが表示されていた。

《泉を助けてあげて》

「もう、最初はなんのことかわかんないけど緊急事態だと思って飛んできたわよ。だけど良かった。本当によかった」

「ありがとう。本当にどうなるかと思った」


さっきの明久さんの話し方や私に対する目つきを思い出し、こずえが来てくれたことを心から感謝した。

だってもしかしたら変なところにつれていかれたかもしれない。

もしかして……私を家庭に入らなきゃいけないような理由を作る?

既成事実を作ってしまえばどうにもならない。

きっとあの人は私から大事なものを奪いたいだけなのかもしれない。

そう思ったら怖くなった。

私はそんな人と結婚をしようとしていた。しかも自分からそれを望んでいた。

「それにしても……嫌な男だね。だから私は言ったのよ。あんな奴と結婚なんてやめなって」

こずえはいつも私を思って言葉をかけてくれた。

「本当よね。彼と一度もあったことがないのにこずえは結婚するなってしつこかったもんね……」

するとこずえは上を指差した。

「そうよ。泉にはあの人が一番あってるんだから」

上を見上げると、2階の窓から洋介さんが私たちを見ていた。

「安心して。彼こそが泉のヒーローなんだから」

ずるい。

私が守ってあげなきゃって思っていてもやっぱり私はあなたに守られてるんだから。
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