エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
それから1週間後、いつものように仕事をしている時だった。

部長が慌てた様子で私を呼んだ。

「有川!」

「はい、なんでしょうか?」

「社長から今すぐ社長室に来るようにと連絡があったんだが……何かやったのか?」

社長?……いやこの場合おそらく父と言うべきか。

みんな私が社長の娘だってことを知らないのに電話なんかかけてこないでほしい。

「恐らく何もしてないと思います」

自信満々に答える。

「大至急とのことだからすぐに行ってくれ」

「はい」

なんだろう。

すると洋介さんと目があった。

普段と変わらない様子だけど目だけは違っていた。

私は大丈夫と小さく頷くと社長室へと向かった。


社長室は最上階である15階にある。

娘の私でもここに入ったことは1、2度だ。

社長秘書と目が合うと、慌てた様子で頭を下げた。

「有川です」

「お待ちしておりました。こちらですどうぞ」

中に入るとそこにいたのは明久さんと、そのお父様で鴨居の社長だった。

この二人が来るなんてどう言うこと?

緊張が走る。
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