エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「洋介さん!」

「あの男……許さない」

気持ちは嬉しい。だけどもうどうにもならない。

「洋介さん、私は大丈夫です。それに私にも責任んがあるんです。縁談が来た時になんの迷いもなくお受けしちゃったんですから……自業自得です」

「自分を見失うな。泉は結婚したくないって言ったよな?」

私は力なく頷く。

「大丈夫。まだ間に合うから」

すると洋介さんが私に茶封筒を差し出した。

「これは?」

「いいから見てくれ」

封筒の中には冊子のようなものが出てきた。

だが、その中身を見て私は言葉を失いそうになった。

探偵が調査した調査報告書だった。

しかも調査対象者が明久さんだった。

ページをめくると私がホテルのラウンジで見た女性も映っていたが、彼女以外の女性が他に2名いた。

しかもどの写真もホテルに入っていく写真や女性のマンションから出てくるところ。

同時に三人の女性と付き合っていることがわかった。

「さっき調査が終わったと連絡が来たんだ。これがあれば結婚なんかしなくていい」

「でも……明日の朝迎えにくるんです」

「誰が?」

「明久さんが」

すると洋介さんが私の手を掴んだ。

「だったら……俺んとこ来い」

「え?」

「泉に話をしなきゃいけないことがあるし……あいつにだけは渡したくなんかないんだ」
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