エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
どちらにせよ証拠を叩きつけて有無を言わせない状況におかなくてはならず、三人は調査報告書待ちだったというのだ。

「でもギリギリ間に合ったって感じだな」

兄がほっとしているとみんなも同調するようにうなずいた。

「それでどうするの?明日」

明日の朝、明久さんが私を迎えくることになっている。

だが私がいないことに気づけば、会社まできて私を連れて行くか父である社長に文句を言うと思う。

だからその前に先手を打つと言うのだ。

洋介さんは兄たちに例の報告書を見せた。

二人は顔を引きつらせながら報告書を読んでいる。

「何これ」

律ちゃんは顔を歪ませた。

「どれだけゲスいんだこの男は」

「でも間に合って良かった。これを見たらお義父様も泉ちゃんを嫁がせるとは言えないわよ」

兄もうなずいた。

そして私に視線を向けた。

「何がおこるかわからないがお前は堂々としていろ。後は俺たちが援護するから」

「はい」

初めて兄がかっこいいと思った。

「それと……まあ洋介と仲良くな」

「うん。ありがとうお兄、律ちゃん」

すると律ちゃんが私に抱きついた。

「私たちはみんな泉ちゃんの味方だよ」

「ありがとう律ちゃん」

すると律ちゃんが「あっ!」と何かを思い出したかのように私に紙袋を差し出した。

「着替え。家にあったやつで泉ちゃんに合うかわかんないけどないよりまいでしょ」

「ありがとう」

そして二人は慌ただしく帰っていった。
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