エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
翌日、私たちは早めに出勤すると急ぎの仕事を早く済ませた。

そして部長に打ち合わせだと言って社長室へと向かった。

15階のエレベーター前で兄と落ち合う。

兄から父はもう出社していると教えてもらった私たちは三人で社長室へと向かった。

私たちに気づいた社長秘書が慌てた様子で「今お客様がいらしておりまして」と私たちの入室を断った。

「それは誰だ?」

兄の問いかけに秘書は「鴨居明久様です」

それを聞いた兄はニヤリと笑った。

「だったら尚更好都合だ」

兄はノックをすると返事も聞かず扉を開けた。

父は私を見るなり「泉」と声を荒げた。

「なんだ、やっぱりここにいたんですね。でも今日はやけに人が多い。もしかして僕たちのお見送りですか?」

相変わらず憎らしい人。

すると父が洋介さんに気づく。

「君は」

「ご無沙汰しております。社長」

「元気そうだな。しかし、君たちは何をしに?」

「お父さん。私は明久さんとは結婚できません」

きっぱりと強い口調で訴えた。

「お前は自分が何を言っているのかわかってるのか?」

怒りをあらわにする父に明久さんは呑気に「落ち着きましょ」と低姿勢だ。

そんな明久さんを洋介さんは睨んだ。
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