エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
傲慢で自分中心、人の心もわからないクズというイメージしかなかった。

父は話を続ける

「彼は海外でMB Aを取得して、世界的に有名はスポーツブランド会社に就職したんだが、3年前に日本に戻ってきていまは別の会社で課長として働いている。いずれは父の後を継ぐだろうが、しばらくは今働いているところで働きたいとたっての願いで働いている。私が見る限り立派な男だ」

確かに肩書はすごいし、明久さんと比べたら月とスッポンだ。

でもどんなに素晴らしい人でも私にはもう心に決めた人がいる。

「嫌です。どんなに素晴らしい人だとしても私は嫌です」

「本当に?」

私は大きく頷いた。

すると父は大きなため息を吐いた。

「しまったな〜。実は今日来てもらってるんだよ彼に」

「え?なんでそんな勝手なことを」

もう信じられない。

私が立ち上がろうとすると父が「落ち着いて一度座ってくれ」と強い口調でいった。

これが落ち着いてなどいられますか?

「お前の気持ちはわかった。だがいくらなんでも会わずに帰らすのは相手に失礼じゃないか?」

確かにそうだけど……。

「会っても私の気持ちは変わりません」

「さ〜それはどうかな?」

父の意味深な笑みに私は身構えた。

「入ってくれ」

「はい」

ん?今の声?どこかで聞き覚えが……。

そしてドアがゆっくりあき、男性が入ってきた。

私はその男性を見て言葉を失った。

道久さん?
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