エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました

「な、なんで？」

もう訳がわからない。

驚きのあまり胸の鼓動は激しく打つ。

私は胸に手を当てながら父を見た。

「俺は嘘はついてない。彼はTコーポレーションの堤社長のご子息の洋介君だ」

「嘘」

私は全身の力が抜け力なくソファに腰を下ろした。

すると今まで黙っていた母が駆け寄ってきた。

「ごめんね。お父さんが絶対に言うなって言うから」

「お母さん」

父は洋介さんに座るよう促した。

「改めて言うが、父さんと洋介君の父親は大学時代の友人だった。彼が帰国するときにウォルカで面倒みて欲しいと頼まれてな。それで最初は２年と言う約束だったが、もう少しここにいたいと言って……でもその理由がお前だとは気づかなかった」

私は夢でもみているのではないと思った。

だって洋介さんが御曹司？

でもよく考えたらあのタワーマンション。

うちの給料では買えないのになぜと不思議に思ったのは確か。

すると今まで黙っていた洋介さんが口を開く。

「今まで黙ってごめん。だけど全てが解決するまではどうしても言えなかった」

「明久君のことは流石に驚いたけどな。でも泉もいい男を見つけたな」

恥ずかしくなって下を向く。

「でも残念だな〜」

父がわざとらしく頭に手を置く。

「洋介君は泉と結婚を前提に付き合いたいって言ってくれたのに泉は嫌だと断ったんだもんな〜」