エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「お、お父さん?」
私が慌てて話を止めようとするが父は続ける。
「『どんなに素晴らしい人だとしても私は嫌です』ってきっぱり言ったよな。なあ母さん」
「言いましたね」
もう、みんな意地悪なんだから。
「もう、全言撤回。私は洋介さんがいいんです。誰がなんと言おうと洋介さん以外の人と結婚しません」
すると父は母と洋介さんをみて「だそうだ」と言って笑った。
もうみんな意地悪なんだから。
父はひとしきり笑うと立ち上がった。
「母さん、そろそろ行こうか」
「そうですね」
「え?もう帰るの?」
こんなスイートルームにいるのに?
すると洋介さんが私の手をとった。
「あとは二人で仲良くやんなさい。どうせ明日も代休とってあるんだろ?」
*
父と母は私と洋介さんを残し帰っていった。
すごくうれしいのに悔しい気持ちもある。
「ずるい!なんで今まで黙ってたの?」
「なんでだろうな〜。でもそれは君が一番よくわかってるんじゃないのか?」
洋介さんは私を優しい眼差しで見つめると話を続けた。
「君は自分が谷崎泉という名で入社するのを嫌がった。それは社長令嬢という特別な目で見られたくなかったからだろ?」
私は頷いた。
「俺も同じだ。俺はTコーポレーションの堤洋介ではなく、ただの堤洋介として見て欲しかったんだ」
そうか。
私も洋介さんも同じ気持ちでいたんだ。
だからお互いの苦しい思いも共有できたんだ。
私が慌てて話を止めようとするが父は続ける。
「『どんなに素晴らしい人だとしても私は嫌です』ってきっぱり言ったよな。なあ母さん」
「言いましたね」
もう、みんな意地悪なんだから。
「もう、全言撤回。私は洋介さんがいいんです。誰がなんと言おうと洋介さん以外の人と結婚しません」
すると父は母と洋介さんをみて「だそうだ」と言って笑った。
もうみんな意地悪なんだから。
父はひとしきり笑うと立ち上がった。
「母さん、そろそろ行こうか」
「そうですね」
「え?もう帰るの?」
こんなスイートルームにいるのに?
すると洋介さんが私の手をとった。
「あとは二人で仲良くやんなさい。どうせ明日も代休とってあるんだろ?」
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父と母は私と洋介さんを残し帰っていった。
すごくうれしいのに悔しい気持ちもある。
「ずるい!なんで今まで黙ってたの?」
「なんでだろうな〜。でもそれは君が一番よくわかってるんじゃないのか?」
洋介さんは私を優しい眼差しで見つめると話を続けた。
「君は自分が谷崎泉という名で入社するのを嫌がった。それは社長令嬢という特別な目で見られたくなかったからだろ?」
私は頷いた。
「俺も同じだ。俺はTコーポレーションの堤洋介ではなく、ただの堤洋介として見て欲しかったんだ」
そうか。
私も洋介さんも同じ気持ちでいたんだ。
だからお互いの苦しい思いも共有できたんだ。