エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「ところでさっきの言葉だけど……」

洋介さんの顔がグッと近づく。

「え?さっきって?」

「俺より先に重大なことを言ったよな」

洋介さんの表情が意地悪な目に変わる。

「それって洋介さん以外の人とは結——」

洋介さんは私の唇に人差し指を押し当てた。

「こういうのは男が言うもんなんだよ」

そう言うと洋介さんは私の膝裏に腕を入れたかと思うと私を抱き抱えた。

「ええええ?!」

「おい、動くな。ムードね〜な〜」

「ムードっていきなりこんなことされてびっくりしない人がいますか?」

「これ以上文句を言ったらその口を塞ぐぞ」

ダメだ。

もう嬉しくてどうにかなっちゃいそう。

「ねえ、このあとどうするの?」

すると洋介さんはニヤリと笑った。

「泉の好きなところでおろしてやるよ。どこがいい?ソファ?それともバスルーム?それとも……ベッド?」

ず、ずるい。

なんでそんなことを私にいわすの?

「おーい。どうしますか?」

そんなの決まってるじゃない。でも恥ずかしくて言えない。

「泉?」

甘ったるい声で私に催促をする洋介さん。

私は小さな声で洋介さんの耳元に「ベッド」とささやいた。

すると洋介さんの耳が真っ赤になっていた。

「洋介さん?」

名前を呼ぶと悔しそうに唇を噛みながら「反則だ」と言うとベッドルームに移動し私を優しく寝かせた。
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