エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
だが津川課長の方も泉を見てはっと目を見開いた。

「もしかして谷崎さん？」

「はい。お久しぶりです」

「そうかと思ったんだけど有川って言ってたから……もしかして結婚したの？」

「いえ、訳あって母の旧姓を名乗ってるんです」

すると津川課長の口角が上がったのを俺は見逃さなかった。

「そうか。でも君がうちの担当なら心強い。よろしく頼むね」

「はい」

「じゃあ早速だけどちょっといいかな……あっ、堤さん、ちょっと彼女借りていいですか？」

「は、はい」

っていうかこの状況で嫌だと思っても言えないだろ？

なんだか面白くない。

それにさっきの笑顔、あれは絶対に泉が結婚していなかったことにホッとしていた顔だ。

「堤課長」

振り向くと都築さんがいた。

「いいんですか？許しちゃって」

「あ？かまわないよ。仕事だしな」

いや、本当はよくない。全然良くない。

「さすが大人ですね。でも気をつけたほうがいいですよ。津川課長結婚してるんですよ。だけど、女癖が悪いことで有名なんで……」

なんだよ。また癖のあるやつかよ。

鴨居のことでやっと落ち着いたかと思ったのに……。

「そうか……じゃあ、俺のいない時は彼女のこと頼む」

「任せてください。私あの手のちょっとイケメンで手の早い男って大嫌いなんで」


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