エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
父から縁談話を持ちかけられたのは半年前。

縁談といえば聞こえはいいが実際は政略結婚のようなもの。

もちろん、恋愛や結婚に憧れは人並みにある。

だけど27年の人生を振り返ってみても恋愛らしい恋愛をした記憶がない。

最初はいい雰囲気なんだけど私がウォルカの社長の娘だと知るとみんな尻込みして恋愛までに発展しないのだ。

そんな私には兄が一人いるが、兄も政略結婚でお嫁さんをもらった。

だけど兄の場合は一目惚れして、お見合いからの大恋愛というレアなケースだった。

私は小さな頃から親の決めた人と結婚するようにと言われ続けた。

そのことに対して疑問に思うこともなかったし、それが当たり前だと思っていた。

そんな私の唯一のわがままはウォルカで働くことだった。

だから父の勧める人とお見合いすることになんの抵抗もなかった。

お相手は繊維商社「株式会社鴨居」の御曹司、鴨居明久さん。

身長175センチで中肉中背、顔立ちは笑顔が素敵な人。イケメンというわけではないけど初めて会ったときの印象は落ち着きがあって優しそうな感じだった。

そして結婚を前提としてお付き合いを始めた。
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