エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「キ、キス?」

「そんなに驚くことないだろ?なんてったって俺たち愛人関係だからな。それにキスは経験済みだろ。それが嫌なら名前で呼べばいいだけのこと」

経験済みでも記憶になければやってないのも同じじゃない。

でも愛人なのにキスであたふたしてたら意味がない。

「わかったわよ。洋介さん」

すると洋介さんは満足そうに私を見た。

「いいね〜。そんな感じでよろしく頼みますよ。泉」

そんなこんなで私と洋介さんは期間限定の愛人関係を結んだ。

だけど、一体これからどうするのだろう。




その日の午後、私たちは解散した。

そして私は親が所有しているマンションへと帰った。

広めの1L D Kに住み始めたのは就職した年になるからもう5年になる。

いくら社長の娘だからといっても何もできないのは恥ずかしいからと兄が一人暮らしをしていたときに住んでいたマンションを私が使っているのだ。

一人暮らしを始めた頃は恥ずかしながら炊事洗濯といった家事全般が全くできなかった。

お米を研いだこともなかったほどで、食器洗い洗剤で洗おうとしたときの母の驚きは今でも忘れない。

そんな私も5年間の一人暮らしで恥ずかしくない程度の家事ができる様になった。

お昼だって毎日自分で作ったお弁当。

縁談話も私を嫁に出しても恥ずかしくないと母が判断しての事だった。

だけど……。

明久さんの女癖の悪さはショックだった。

するとメールの着信音が鳴った。明久さんからだった。

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