エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「映画ね〜」

それまでいつもの真面目な表情だった課長の顔がプライベートのちょっと意地悪そうな顔に変わったのを私は見逃さなかった。

ここで課長って言ったらペナルティよね。

「そう、映画に連れてって。洋介さん」

すると課長はカバンを持って私の方に向かってきたかと思うとバッグを持っていない方の手を掴んだ。

「じゃあ映画に行こうか」

「え?」

課長はカバンを持っている方の手で器用に照明を切ると私の手を握りエレベーターの方へと歩き出す。

でもここは会社の中。

こんなの他の人に見られたらと思うと気が気じゃない。

「課長、ここ会社——」

すると急に課長の足が止まった。

そして私を見てニヤリと笑った。

「ペナルティ」

そう言うと顔が近づいて「チュッ」と私にキスをした。

それは一瞬の出来事でだったが、本当にキスするんだという気持ちと、会社なのにキスされて驚きを隠せなかった。
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