エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
全てお見通しと言いたげな言い方の洋介さん。

「そうだけど、ちょっと怖いだけよ」

つい痩せ我慢をしてしまう。こういうところが可愛くないのだろう。

彼氏にしがみつくという夢は叶わない。そう思っていたのだが……。

「怖かったら俺の腕にしがみついていいよ」

私は彼の片方の腕にしがみつき顔を埋めた。

どうしよう。

すごくドキドキしてる。

絶対に洋介さんにも伝わってる。

でも……不思議と安心できた。

どうして?



映画が終わり我に返った私は何事もなかった様に席を立った。

「いや〜面白かった。泉も面白かっただろ?」

嫌味な言い方に黙っていると洋介さんは私の手をとり指を絡ませる様に手を繋いだ。

これはちょっとやそっとじゃ離れないじゃない。

気持ちが手に集中していると洋介さんが「腹減ったな〜」と呟いた。

本当は映画が終わったらここで解散するのかと思った。

だけど洋介さんが私の顔を覗き込んだ。

「月曜から土曜まではいつだって一緒にいれるんだろ?今日は金曜日。まだまだ帰さないよ」

「あ、当たり前よ。そういう約束だし」

なんでもっと可愛い言い方ができないんだろう。

明久さんといるときはなんでも「はい」と言っているのに……。
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