エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
四章

朝早く、最寄りの駅で洋介さんを待つ。

実は寝不足というかほとんど寝ていないのだ。

何を着ていけばいいのかとクローゼットの前でずーっと悩んでいた。

結局紺色のカジュアルなロングワンピースと動きやすいスニーカーのコーデにした。

せっかくだからお弁当でも作ろうと思いたった私は23時まで営業している近所のスーパーに行き、食材を買い込んだ。

明日の朝早く作ればいいと思い、一度は布団の中に入ったのだが、興奮してなかなか眠れず、夜中だというのにお弁当を作り始めた。

卵焼きにウインナー、人参を巻いた肉巻、そして唐揚げ。ベーコンのうずら巻き。

彩よくブロッコリーを茹でてミニトマトを添えた。

あとはおにぎりを握って出来上がり。

張り切りすぎたせいでほとんど寝ていない。

だけどちゃんとお肌のお手入れもした。

特に目の周りは念入りだ。

栄養ドリンクだって飲んだんだから完璧だ。

そして待つこと5分。

真っ白なスポーツタイプのセダンが私の前で止まった。

「おはよう」

「お、おはよう」

すると洋介さんは車から素早く降りて後部座席のドアを開けた。

普段スーツ姿の洋介さんだが今日はVネックのシャツにカジュアルなジャケットとジーンズ、それにスニーカー。

いつも整ったヘアスタイルも今日は服装に合わせてラフな感じで普段よりも爽やかさが増している。

「どうかした?」

顔を覗き込まれどきっとしてしまう。

「な、なんでもない」

本当はなんでもなくない。きっとテーマーパークではキャラクターよりも視線を浴びるだろう。

< 50 / 175 >

この作品をシェア

pagetop