エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました

「すごく落ち着かないんだけど」

洋介さんと猫耳をつけて歩いているのだが、慣れないせいかさっきまでの落ち着きがなくなっている。

「大丈夫。みんなつけてるしここではこれが普通なんだから」

だけど私は知っている。

すれ違う人が洋介さんを見ていることを。

みんなかっこかわいくて見てるんだろうけど……教えてあげない。

そして別のアトラクションを2つほど乗って、ちょっと休憩しようとしていたら特設ステージで人気キャラクターと一緒に写真が撮れるイベントが開催されていた。

するとスタッフの一人が私たちに声をかけてきた。

「キャラクターたちと一緒に写真を撮りませんか?」

私はせっかくだし、洋介さんと猫耳をつけた写真を撮りたかった。

「ねえ、撮りま——」

「結構です」

洋介さんは拒否した。

なんで?

写真ぐらいいいじゃない。

そう思うも洋介さんは私の手を掴むと歩き出した。

「洋介さん?」

すると洋介さんは足を止めた。

「撮りたかった?」


私は黙って頷いた。

すると洋介さんはため息を吐いた。
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