エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
六章
週明けデスクワークをしていると部長に呼ばれた。

でも呼ばれたのは私だけではなかった。

「急で悪いが明日、堤くんと一緒に名古屋に行ってくれ」

「名古屋ですか?」

年に2回、本社のある東京、大阪、名古屋、福岡の支社の課長クラス以上の勉強会がある。

いつもは部長がこの勉強会に参加していた。

だが、大きな会議が入ってしまい急遽課長が行くことになった。

毎回補佐として部下が一人ついていくのだが今回私が指名された。

もちろん指名したのは部長だ。

この会議の会場は毎回ローテーションを組んでおり、今回の会場は名古屋だった。

部長は話を続けた。

「勉強会もさることながら今回有川さんにお願いしたいことがあって」

「なんでしょうか?」

「実は先週、名古屋の松島屋百貨店に新しくランジェリーショップがオープンしたんだ。フランスの『ラグーン』だが知ってるな?」

「はい」

ラグーンはフランスを拠点に世界各地に支店を構える老舗ブランドだ。

普通のランジェリーショップと大きく違うのは、ブラをはじめショーツやキャミソール、ランジェリードレスなどをセミオーダーで販売しているということ。

デザインは30種類ほどあり、シーズン毎にそのデザインは変わる。

その中からチョイスし、カラーを決め、専門のスタッフが正確な寸法を測って作る。

デザインもエレガントなものからセクシーなものまで幅広く、オプションも多く取り揃えられており、世界に一つしかないランジェリーとして女性の憧れのブランドなのだ。


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