エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
冗談じゃない。じゃあ私はなんのために結婚するのよ。

完全な仮面夫婦を死ぬまで演じなきゃいけないわけ?

そんなの虚しすぎる。

私はパンケーキもコーヒーにも手をつけず、逃げるようにラウンジを出た。

買い物をしていた楽しい気分はもうなくなって、この先の自分の将来への不安が重くのしかかっていた。

そういえば明日は明久さんと会う日だった。

どんな顔をして会えばいいの?

こんな状態で結婚式のことを決められるの?

何人呼んで、料理は何にしよう、ドレスは?お色直しは?引き出物は?新婚旅行は?

そして愛されてもいないのにみんなの前で幸せいっぱいの演技をするの?

嫌だ。

できることなら夢であって欲しかった。
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