エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「課長?」

「ペナルティ」

 え?どういうこと……。

すると洋介さんは私より半歩先に歩きラグーンの前で止まった。

「課——」

課長と言おうとしたが再び「ペナルティ」と言われてしまった。

本当にこのまま店に入るの?

ドキドキしていると入り口のスタッフが私たちに会釈をした。

「いらっしゃいませ。どうぞお入りください」

躊躇する間もなく洋介さんが店に一歩足を踏み入れてしまった。

店内は見本となるランジェリーが綺麗にディスプレイされている。

正面にある大きなモニターにはショーの模様が映し出されている。

そして右と左でテーマが分かれている。

「お決めになられているものはございますか?」

スタイル抜群の店員に尋ねられる。

何も決まっていないというより購入目的で中に入ったわけじゃない。

どうしよう。

こういう場合ショーツだけでも買っとく?

いやショーツ買うならブラも買うよね?

いや私だってこれでも社長令嬢よ。

一人暮らしで自分で自炊している生活が身につき自分が社長令嬢だということをしばしば忘れがちな今日この頃。

ブランド物も大学生までは好んでいたけど最近は特にこだわりがなく、私のことを知っている友人からはらしくないとよく言われる。

だけどここまできたら自分へのご褒美があってもいいわよね。

ここは清水の舞台から飛び降りる覚悟でブラとショーツのセットを買おうと決めたのだが……。
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