エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「え?」

驚く私に店員が微笑む。

「彼氏さんのリクエストを取り入れる方が多いですよ。みなさん勝負下着として選んでいかれるんです。なので彼氏さんがいいと思う物がおすすめです」

いやいやそうじゃないんだけど……と言いたいが、言える雰囲気ではない。

結局流されるまま洋介さんのご希望カラーに決まった。

「納品時期を確認して参りますので少々お待ちください」

店員が席を外すと、洋介さんも立ち上がった。

「どこへ?」

「トイレ」

一人になった私は戸惑っていた。

確かにベビーピンクは凄く可愛くて私もこれがいいと思った。

だけど、洋介さんのために選んだんじゃないもん。

それなのに、あんな優しそうな目で『彼女へのプレゼントをと思ってサプライズで連れてきた』なんて言われたら嘘でもドキドキしちゃうじゃない。

別にこれを買ったって洋介さんに見せる予定は……ないはず。

しばらくすると店員が戻ってきた。

「お待たせいたしました。納期ですが一ヶ月ほどお時間いただきたいのですがよろしいでしょうか?」

「はい」

「ご来店と配送とあるのですが」

「配送で」

すると店員が配送伝票を差し出した。

書いてる途中で洋介さんが戻ってきた。

そして伝票を書き終えると、控えをもらう。

「あの……それでおいくらになりますか?」

バッグからお財布を取り出そうとすると店員が「会計はもうお済みです」と言った。
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