エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
哺乳瓶一つとっても今はいろんな形があって、どれがいいのかわからない。

マザーバッグというのがあるのも初めて知った。

あと授乳用クッション。これは便利だなとまじまじと見ていた。

とにかく、私の知らない世界だった。

チラッと母を見るとまだ真剣に店員と話している。

まだ時間がかかりそうだと思ったが、別の階に行くと後で探すのが面倒だからとぶらぶらしていると凄く綺麗な女性とすれ違った。

ふわっと優しい花の香りがしたその女性はスタイル抜群でエレガントな小花プリントのカシュクールワンピースとロングヘアーがとても似合っていた。

どんな人と一緒に買い物に来たんだろう。

普段はすれ違った人に対しそんなことは思わないのだが、興味をひいた私の目線は彼女を追っていた。

だがその女性と一緒にいる人を見て私は驚いた。

女性と一緒にいたのはなんと洋介さんだったからだ。

なんでこんなところにいるの?

心臓はうるさいほどバクバクする。

私は洋介さんにばれないよう隠れた。

なんでこんなところに彼がいるの?

あの女性は洋介さんとどんな関係なの?

頭の中は混乱していた。

でも彼は契約上の愛人だ。しかも日曜日は絶対に合わないのがルール。

日曜に何をしようが私に聞く権利などない。

私だってさっきまで婚約者と式場にいたぐらいなのだから。

だけど胸がざわつく。

だって二人とも凄く絵になるし、お似合いだったからだ。
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