エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
ぼそっとつぶつやく洋介さんの言葉に刺々しさを感じた。

だが何を言いたいのか私にはさっぱりわからない。

「おっしゃってる意味が分からないのですが」

「母親とベビー服を買ってただろ?」

「え?」

なぜそれを知っているの?

「お前が嬉しそうにあれもいいこれもいいって選んでたじゃないか」

一体いつから売り場にいたの?

でも勘違いも甚だしい。

「なんで私が生まれてもいない自分の子供のために服を買うんですか?冗談じゃない。あれは兄夫婦にプレゼントするものを買いに行ったんです」

「え?」

今度は洋介さんの方が驚いている。

でもそっちが聞いてきたんだから私が聞いてもペナルティにはならないはず。

「ご自分こそ、真剣な様子でベビーカー見てましたね」

「ああ、あれか」

「否定しないんですね。でも洋介さんが何をしていようが私には関係ないですけどね」

すると洋介さんはお弁当を持っていた私の右手を掴んだ。

「お前、それ本気で言ってんの?」

「え?」

洋介さんの私を見る目が怒っているように見えて身構えてしまう。
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