エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「俺は気が気じゃなかったよ。普段俺と一緒にいながらお前は俺の一歩前を進んで結婚へとまっしぐら。そう思ったら、イラッとしたよ。あと、なんか勘違いしてるようだからいうけどあの時一緒にいたのは……俺の妹だ」

「い、妹さん?」

「妹は海外に住んでるんだが、日本のベビーカーが欲しいと子供をうちの親に預けて買いに来たんだ。俺は運転手がわり」

「そ、そうなんだ」

今までの張り詰めていた緊張が抜けた。

「よかった」

心の中で呟くつもりの言葉が声に出ていた。

「泉?」

「昨日、あんなところで洋介さんを見た時の私の気持ちわかりますか?聞きたくても怖くて聞けなくて。ずっとヤモヤして……眠れなくて」

私の声は震えていた。

すると視界が真っ暗になった。

洋介さんが私を抱きしめていたのだ。

「よ、洋介さん、ここ会社。誰かに見られたら」

「誰もいないよ」

「でも……」

「俺も気が気じゃなかった」

洋介さんも私と同じ思いをしていたことに胸が熱くなる。

するとゆっくりと視界が明るくなった。

だが洋介さんとの距離はすごく近く、ドキドキして落ち着かない。

すると私の顔を覗き込みニヤリと笑った。

「そういえば出張の時のペナルティのキスがまだ2回分あったっけ」

「ええ?」

「その1回使わせてもらう」
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