陽だまりの中のきみへ
* * *

「ねーねー、詩音ちゃんって生徒会だよねっ?」

「学校でお菓子販売してほしい!!」

新クラスの2年4組では、既に私は「生徒会の子」として定着していた。

…私そんなに絶大な権力はないんだけどね。

明るくて可愛い女の子たちがいっぱい集まってるこのクラスは、私にはちょっと居心地は悪かった。

楽しいけど、疲れる。

…そんな私は変わってるのかな、なんて。

「あっ、ねえ、深月ちゃん、だよね」

教室の後ろの、ロッカーの所に1人で立っていた、ちょっと大人しめの、綿貫深月(わたぬきみつき)ちゃんというクラスメイトに話しかけてみる。

「あ、うん…、よろしくね、えっと、詩音ちゃん?」

「うん、詩音でいいよ!…みっちゃんって呼んでもいい?」

「へへ、よくそう呼ばれるからいいよ」

さっそく仲良くなれた感じがして落ち着いた。
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