泡沫の記憶
オレと朱夏は10歳、年が離れてて
オレの兄の子
オレと兄は血の繋がりはなかった
オレの母親はオレが幼い時
再婚した
兄は母親の再婚相手の連れ子だった
15歳、年の離れた兄弟だった
多感な時に急にできた弟
それでも兄はオレを本当の弟みたいに
可愛がってくれた
兄とよく公園に行ったのを憶えてる
オレが小学生の時に兄は結婚した
オレが10歳
小学校5年生の夏休みに朱夏が産まれた
今でも鮮明に
朱夏を初めて抱いた時の手の感触
朱夏の温もりを
思い出せる
壊れそうなくらい
柔らかくて小さな塊
オレの指をギュって握った